先日、
ジャパンハート代表の吉岡秀人医師の
講演を聞きました。
講演を聞くまでは
どんな方か知らなかったのですが
NPO法人「ジャパンハート」を設立して
ミャンマーなどの発展途上国における
貧しい子供たちの治療や手術を
無償で続けている小児外科医です。
吉岡先生が医者になったきっかけや
ミャンマーの医療事情とか
救える命と救えない命とか
重い話だったんですけど
すごく考えさせられました。
印象に残ったこといくつか書きます。
- 医者を続けるのは「命を救うこと」が目的じゃくて「人生の質を上げる」こと
- 死ぬのがわかっている子供を治療するのは、家族に忘れないでいてもらうため
- 時間を投資して出来ないことはほとんどない
詳しくは吉岡先生のブログをどうぞ
いろんな記事を読み返しても
素晴らしいなぁと思う。
そして泣く。現実が悲しすぎて。
日本に生まれてきて、本当に恵まれてるなと思う瞬間。
私は特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の治療に
数百万・・いや、数千万の医療費がかかってるけど
自由診療でも無ければ、ましては特定疾患で
どんなに医療費の高い治療をしても数万程度。
2013年に再燃したとき、
たしかリツキサンは保険適用外だった。
結果的に大きな負担はなく
リツキサン治療は完了したんですけど
でも、もしそこでお金が払えなくて
治療が出来なかったら当たり前に死んでいくんだよなぁ。
>「人間の命というのはお金で左右される」
>当たり前なことだけど、到底理解出来ない日本人が多い
(「発展途上国の子供を救え!小児外科医吉岡秀人の戦い」アジアの途上国で乳がんを診るより引用)
私も吉岡さん好きです。
私は看護師さんと顔が腫れ上がって、化け物と呼ばれたライミョウくんの話が好きです。
-引用-
「君は化物じゃない」「君は大切な人間なんだよ」というメッセージを、この子にどうしても伝えたかったんですね。
それで、ある看護婦さんを選びまして、口頭でそのメッセージを伝えてほしいと頼みました。非常に激しい雨季で、ものすごいぬかるむような泥で、四輪で行ってもクラッシュして進まないんですね。
そこからさらに船に乗り継いで村まで行くんですけど、この子が僕の病院に通ってきた道ですね。それで僕はその看護婦さんに、「この子が亡くなるまでに、『君は大切な人間だよ』というメッセージを伝えてくれ」と言いました。そうすると、その看護婦さんは、毎日言ってくれましたね。
今でもそうなんですけど、ミャンマーは村に外国人が泊まれないんですよ。行ったら必ず帰ってこなければいけないんです。朝5時に出て、(帰ってくるのは)毎日夜の23時位ですよ。
でもまた朝に出て、その道を行き来するんですね。そうやってこの子に、死ぬまでにメッセージを伝えてくれました。
-中略-
この子は、この最後のメールの翌日に亡くなるんです。その後、親は何回も僕のところに来てくれまして、幸せだったと言ってくれました。
-以上-
ライミョウくんは治療を受けてません。看護師さんが大切な人だと伝え続けたことで、幸せだったんです。
この話を思い出すたびに思います。
患者さんは人間で、治療方針が心配で、明日が不安で、薬の副作用に苦しみ、孤独で、腫れ物扱いされたり、働けなくなったり、家族との関係が悪くなったり、病気以外で人生を大きく左右することがあります。
こんな点についてケアが必要です。
吉岡先生の話を聞くたび、患者ではなく人間として扱うことの大切さを思い知らされます。
ちなみに、知里さんは本当に大切な人なんですよ。本当に。